1996年に生命保険の仕事をはじめました。
最初の15年は営業、その後は営業以外のいろんなことをやりました。いまはフリーのファイナンシャル・プランナーとして、お客様の相談にのったり、保険業界の方にコンサルやアドバイスをしています。現在は業界から離れたところにいるので、制約なく、言いたいことが言える立場にあります。その立場を活かして、保険の話を中心に、私が思っていること、感じていることなどを思いつくままに書いてみます。
「情けは人のためならず」とは、謙虚さへの気づき
「情けは人のためならず」ということわざがあります。
意味を間違いやすいことわざの代表例とされます。
「他人に情けをかけるのは、その人のためにはならない」というのは間違いで、
「他人にかけた情けは自分に戻ってくる」というのが正しい意味です。
このことわざを、次のように解釈することも可能です。
「他人にかけた情けが自分に戻ってくるなら、自分のメリットのために、どんどん親切にしよう」
功利的な考え方です。
実際に役に立ちそうです。
でも、ちょっと違うなと感じる人が多いと思います。
誰かが困っている状況があったとして、その人に手を貸してあげたいというのは、人として自然な気持ちではないでしょうか。災害の被害者の人たちの何かをしてあげたいというのは、自然なことです。道に迷っている人に行き方を教えてあげるのも、ごくごく普通のことです。
人にやさしく接するのは、人間として自然なありかたのように思えます。けれども、実際にそうなのでしょうか?「情け」の元をたどると、実は自分のためなのかも知れません。
たしかに、自分が人にやさしくすることで、自分が満たされる感じはします。このことわざは、そのことに気づきなさいと教えてくれます。他人に親切にすると何かよいことをしたという自己満足におちいりがちですが、それは自分のためにやっているんだという謙虚さを忘れないようにというのが、このことわざで先人が伝えたいことだったのではないかと思います。
もう一歩踏み込んでみましょう。
「情け」は自分のためにしているのであれば、次のように言い換えることもできます。
「自分を大切にしている人は、気づかないうちに、他人に対して思いやりのある行動をしている」
自分を大事にしている人だから、他人やさしくできる。
「親切の第一歩は自分を大切にすること」
まずここをしっかりおさえておきたいですね。
見えないけど大切なこと
「親切の第一歩は自分を大切にすること」という考え方を知ると、生命保険の見え方が変わります。
生命保険は、病気や死亡などに備えるために、保険会社と交わす契約です。
もし事故が起きれば、契約内容に基づいて保険金を受け取ることができます。
あなたが保険に入るときは、自分や家族のことを考えて、自分にあった保険に加入します。
では、あなたが生命保険(医療保険)に入ってすぐ入院したとします。
あなたは保険金を受け取ります。
しかし、掛け金はまだそれほど払っていません。
そうであれば、その保険金はあなたのお金から出たものではありません。
では、そのお金はどこから来たのでしょうか?
「保険会社」
正解です。
では、保険会社のお金はどこから来たのでしょうか?
それはあなた以外に保険に入っている人が払ったお金です。
つまり、あなたは他の人のお金で助けてもらったわけです。
もちろん反対のケースもあります。
他の人が保険金を受け取るとき、あなたの払ったお金が使われています。
もちろんお金に色がついているわけではないので、
あなたの払ったお金が誰に使われたのかを特定することはできません。
けれども、保険というしくみを通して、たしかに助け合いが行われています。
もともとは自分や家族のために入った保険が、実は他の人の役に立っている。
つまり、自分や身近な人を大切にすることが、結果として、人助けになっているということです。
「親切の第一歩は自分を大切にすること」
ここで結びつきました。
自分や家族のためにきちんと保険を考えること、それが実は他の人にも役に立っている。
反対に、きちんと保険を考えている、あなたの知らない誰かがあなたを助けてくれる。
この助け合いこそが、保険の本質です。保険に絶対に入らないといけないということはありません。
しかし、もし加入を検討したり、すでに加入されているのであれば、
あなた自身やご家族のことを徹底的に考えた上で加入してほしいです。
それがあなたのためになり、同時にまわりの人のためになるのですから。
身近にある思いやりを大切にする
「人への思いやりが大事」
多くの人がそう感じていると思います。
それは、思いやりを感じる機会が少なくなっているから。
もちろんこの世界には、多くの思いやりがあふれています。
それでも、もっともっと思いやりは増やせると思います。
思いやりといっても、特別なことは必要ありません。
身近なところから増やしていけばよいことです。
その一歩として、保険を題材に問いかけをさせてもらいました。
自分への思いやりをまわりに広げていきたいですね。
